第一報

 この事件が初めて毎日新聞の紙面にとりあげられたのは1989年7月26日(水曜日)のこと。この日の朝刊の27面(テレビ欄の裏)に第一報が載っています。以下にその記事全文を引用しておきます。

「SOS」木文字 近くに白骨散乱
大雪山系の湿原 遭難者か

 北海道の大雪山系融雪沢上流の湿原(上川管内美瑛町)に樹木で組んだような「SOS」の文字があるのを二十四日夕、遭難救助活動をしていた北海道警航空隊のヘリコプター「ぎんれい1号」が発見、写真撮影した。写真を分析したところ、文字は風倒木かシラカバの木をつないで文字に組み立てたもので、一文字の大きさは二-三メートル。
 現場は同山系旭岳山頂から南へ約四キロ、登山道もなく、普段人が出入りしない場所。道警は二十五日午後、ヘリコプターで救助隊四人を現地に派遣し、文字の確認と周辺を捜索、文字から十-三十メートルの範囲で骨盤や大たい骨、上腕骨などが散乱しているのを発見した。北側約百メートルでカセットレコーダーやテープ三本の入った袋のようなものと布切れ二枚も見つかった。
 骨は白骨化しており「SOS」を描いた木にも草がからまっていたことから、道警は一冬以上経過しているとみており、文字は白骨体の人が作った可能性が強いとみて身元確認を急いでいる。
 「ぎんれい1号」は二十四日午後、現場から二-三キロ北で友人と縦走中に道に迷った東京の男性(六二)を救助するために出動中に文字を発見した。

(89年7月26日 毎日新聞朝刊27面より)

 そしてこの記事には上空から撮ったと思われる「SOS」の文字が写った写真が載っていまして、非常に不気味な感じです。関係ないですけど、新聞にも結構誤字、脱字があったりするんですね。上の記事引用も、こっちで勝手に手直しした部分が一部あるんですが。
 ともかく、これが全ての始まりだったわけです。

(1999/9/16)

戻る