「アメリカから与えられた戦後の教育と称するものは、民主教育と称し、権利や自由平等を強調するあまり、理念なき自由主義や権利意識ばかり強い利己主義者を大量発生させた」というような物言いがある。
「利己主義者が大量発生」するような状況であるとするなら、それは自由や権利の教育が徹底していない(簡単なところで言えば、他人にも自由や権利はあるんだよ、みたいなこと)が故の結果なのではないかと思うのだが、そうは思わない人が結構いるらしい。
冒頭のような発言を聞く度に思うのだが、日本国は近代化された社会で成熟した民主主義が定着していると無邪気に(無意識に)信じ込んでいる人が多すぎるのではないか。
で、「戦後民主主義教育の弊害」ってこういう現象を言うのではないか?戦後民主主義教育の弊害を憂う人はたくさんいるが「戦後日本は社会的に近代化されて成熟した民主主義国家であると思いこんでいる人間が多いが、それは戦後民主主義教育の弊害だ!」って言っている人をあまりみたことがない。
話は変わって、こないだの土曜深夜にNHK-BSで日本の降伏を扱った番組(フランス製作)をやっていた。番組最後のほうで、敗戦の責任を国民になすりつけようとする日本のマスコミがいたということが軽くナレーションで触れられていた。曰く、戦争で大変な時に国民は利己主義に徹し云々と。
思わず苦笑してしまった。今も昔もいるのねこういう奴。あと、このマスコミの言葉を借りると、民主主義にも個人主義にも毒されていない筈の戦前戦中世代も利己主義に徹していたそうなので、頭の悪いボケ老人がほざいている寝言はやっぱり寝言なんだなあと思った。
戦争に負けたり社会が悪くなっているのは利己主義者が増えているからなんですって。