社会の中で生きるために必要なたった一つの心構え

#189 「家庭のしつけは衰えている」は本当か? 広田照幸 さん(東京大学大学院教授)

一人ひとりの個人は、社会との関係の中で生きている、ということを理解してほしい。働くことも生活することも遊ぶことも、あらゆることが、「社会」を抜きにして成り立っているわけではありません。今の社会のしくみをきちんと理解し、今ある社会に適応して、その中に自分の居場所を見つけていくという側面も必要です。同時に、今の社会のしくみをきちんと批判し、これからの社会を新しく作っていく主体になるという側面も、若い世代に求められています。私もこれからいっそう努力しますけれども、若い世代の人たちも、自分の身の回りだけとか自分だけの人生とかを考えるのではなく、どうか社会的な関心をもってほしいです。

 「社会」の中で生きていくということを考えてみたい。社会的な関心を持つためには、まずは自分の身の回り、自分の生活に根ざした部分から社会を考えた方がいいと思う。その方が真剣さが全然違う。最初は「自分の身の回りだけ」「自分だけの人生」を考えるところから始めればいいんじゃないか。

 生きている中で不満なこと理不尽なことがある。どうしてこんなことになっているのだろう?と考える。自分のことだから真剣に考える。そして、こういう状況の下で、自分の環境を快適に(少しでもマシに)するためにはどうすればいいか考える。
 自分の力で何とかなるかもしれない。社会構造的なもので自分にはどうにもできないかもしれない。それらの複合的なものかもしれない。大抵は白黒はっきりできるようなものではない。安易に結論づけず、徹底的に考えたい。
 確かに社会はおかしいかもしれないが、社会構造が変わるのを待っていられないということもある。当座の現実解としては、自力で何とかしたほうがいいという結論に達することもある。ただ、ここで気をつけてもらいたい。あなたが、理不尽な社会構造に対して「自力でなんとかして自分に快適な環境を手に入れた」とする。それは確かに素晴らしい。でもそれは誰にでもできることではない。そのことは忘れないでいただきたい。自力でなんとかなってそれなりの地位を築いた人がたまに「それが最適解だ!」と声高に言い出したりするが、それは視野狭窄であるか地位の上がった自身の保身であるか他人を都合のいいように動かしたいという欲望だと思っていい。
 それに関連してもう一つ。この手の人は「個人の力で世の中は変わらないんだから自力で頑張って人生のクオリティを高めたほうがいい」と得意気に語る。更に酷くなると「社会に不平不満を言うと霊的ステージが下がって不幸になるしそういう人に関わるとネガティブ菌が感染して自分の人生のクオリティが下がる」なんてことを言い出したりする。こういう人間の力を信じられない、卑屈に下を向いて生きることしかできない後ろ向きネガティブな人には注意しよう(もちろんそういう生き方をすることは否定しない。世の中には色々な生き方があるしそういう生き方をする自由はある)。
 この手の言説を広めようとする人にはその人の事情がある。自分にとって都合のいい社会の現状(そしてその現状はある種の人にとっては理不尽極まりなかったりする)に対して疑問を持たれたりそれを変えられたりしては困るのだ。たまに100%の善意と素でこの手の言説を信じ込んでいる人もいるが、まあ、世の中には個性に溢れた変わった人もいるってことで、自分の障害にならない限りはそっとしておいてあげよう。
 社会の現状が自分にとって都合のいい人は、他人が現状に不満を持たないことを望む。だから「社会に不平不満を言うと霊的ステージが下がって不幸になる」と吹いて廻る。そして不平不満が出ないことをもって「ほうら現状に不平不満なんて存在しないんだよ」と高らかに宣言するのだ。

 自分を、自分をとりまく環境を正確に把握して、徹底的に考えて行動しよう。そして、自分にできることができない他人がいるという可能性を忘れないようにしよう。

参考:http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20080125

学校に行かなくても死なない / 日本での生きにくさ

 学校(高校以前)に行かなくても死なないというのはその通りなんだけど、「学校に行かないようなヤツ」に対する視線というのがあって、例えば何の問題もなく大学の入学試験を通る能力、大学を卒業する能力があって実際そうやっても、「学校に行かないようなヤツ」に対するゲスな目線、あいつが転落したらここぞとばかりに騒いでやる、あいつは登校拒否児だったんだ引きこもりだったんだ、という目線というのはあって、そんなの気になんないよという人もいる一方でそういう目線にどこかでおびえている人もいるかもしれないなあ、なんてことをふと思った。
 これは「学校に行かない」に限らず、他にも色々なケースがある。「あいつはおかしなヤツだった」とかそういうのも含め。

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 なんてことを思いつつ、この本を読んだ。この本の中で、サラリーマン養成所のしての学校はもう時代にそぐわなくなっている、だけど人々の学校信仰は未だ根強く残っている、ということが書いてあった。
 まあ、そうだよなと思う。そして同時にメリットがあったりデメリットが特にないなら学校に行かない必要もない、とも書いてあった。結局そこらへんに落ち着くのかなと思う。まあ学校なんて自分のいいように利用すればいいんだし。
 今現在学校に通っている当事者が、こういうことを理解することが大事だとは思うけど、それやられると教員が困るだろうな。自分たちに都合の悪いことを知ってもらっちゃ困るし、平均的な教員の能力じゃそういうことを身につけた子供は手に負えないだろうし。せいぜい同業者内でのグチグチ話に花が咲くだけか(笑)。

 そして関連する話として、渡辺千賀氏のこのエントリ
 日本で生きにくさを感じたときに厄介なのは、地理的な障壁(海)と言語と地域学校家庭等で叩き込まれる日本社会の常識かなあと思う。これらの障壁は日本国内のある種の人にとってはとても都合が良く、人材の流出をそれなりに防ぐことが出来る。その障壁の強度は、日本の学校や日本社会の教育力(笑)にかなり依存している。
 障壁を乗り越えられる人は苦労して、あるいはあっさりと乗り越えてしまう。頭の良さとか行動力とか生命力とか金の力とか育ちの良さとかで。ただまあそれは誰にでもできるわけではない。できるかできないかのボーダーライン上にいる人を日本国内に押しとどめる力は、冒頭で言ったような障壁だ。ボーダーライン上にいる人で、かつ日本で生きにくさを感じている人にとってこの障壁は自分を閉じこめる檻であり、外に出ようとする自分を引き戻そうとする悪魔の手だ。

 話は少しそれて、このエントリで渡辺氏の子供時代について書かれていて、それを読んで思ったことを少々。
 まあ人間は自分の嫌な記憶は忘れるから、子供時代に戻りたいって感情は出てくるだろうね。ちょっと冷静に考えてみるとそれってすげえ嫌なことなんだけどね。自分の好きな人だけがいて自分にとって嫌なこと不快なことクソなシステムが一切無いなら戻ってもいいけど。
 私は偏見に毒されていて、小中学校の教員ってのは無能勘違い落ちこぼれがなる職業だと信じて疑わないという不治の病を患っている。実際に体験した小中学校時代を考えればそりゃ当然だろ、と今でも思っているのでなかなか深刻な病状である。
 私は「どうして教員ってこんなにバカなんだろ?」と思いながら義務教育期間の大半を過ごしたので、年齢を重ねるにつれて教員や学校社会に理解を示し寛容になっていく同郷のかつての問題児や、教員や学校の理不尽さに涙していたかつての同級生今は小学校の教員、なんて話を聞くとなんとも言えない気分になる。
 学校で受けた教育がよく身についたいい子ちゃん、ってこういう人たちのことなんだなあと思う。昔は私が一番いい子ちゃんだったんだと思っていたんだけどなあ。

iPod touch / iPhoneのカレンダとGoogleカレンダを同期する方法

 Mac環境だと他にもやり方があるらしいですが、そっちは知らないので他の方法を。

1.NuevaSyncを使う
 ※NuevaSyncが無料で使えたのは2010/11/24までなので注意。
 NuevaSyncというサービスで、カレンダの同期ができる。NuevaSyncにGoogleカレンダのパスワードを入力することになるのでそこは考えたうえでの利用を。
 NuevaSyncの設定については下記のリンクを参照。
http://yamashita.dyndns.org/blog/iphone-google-calendar-nuevasync/
http://kengo.preston-net.com/archives/003864.shtml

2.さいすけ for iPhoneを使う
 iPod touch / iPhone付属のカレンダとの同期はできないけど、このアプリとGoogleカレンダを同期できる。無料版(機能制限付)と有料版があるのでまずは無料版から試してみては。
http://www.anzuu.com/2008/11/16_1282.html
http://jp.blogherald.com/2008/10/15/must-have-bloggeriphone-app-saisuke-for-google-calendar/