加害者の正当化テクニック

https://www.asahi.com/articles/AST792FCPT79UGTB003M.html

 東京電力で副社長を務めた石崎芳行のテクニックが記事になっていた。この記事の詳細はここで閲覧可能。

 この記事内で「太陽光でも風力でもリスクのないものはない。原発は世界で400以上動いており、安全に管理する手段はあるはず。エネルギー問題はみなさんの問題。ぜひ考えてみて下さい」というたいへん味わい深いフレーズが出てくる。定番テクニックのエッセンスが詰まっているので取り上げる。

 テクニック1:原子力発電所は事故が起きた時の影響度が、太陽光や風力に比べて極めて高い。実際放射能汚染されて未だに帰還できない地域があることでそれは明らか。それなのに「太陽光でも風力でもリスクのないものはない」と原発事故のリスクを太陽光や風力の事故と同程度に矮小化している。石崎氏は原発事故の甚大さ深刻さを福島第一原発事故で身をもって体験した筈なのだが理解してはいないようだ。「原発事故による避難指示さえなかったら、救えた命がたくさんあった」と言われ「消防団長から殴られそうになった」のにね。口で言ってわからない人はどうすればいいんでしょうか。

 テクニック2:原子力発電を安全に管理する手段を考えることを「エネルギー問題はみなさんの問題。ぜひ考えてみて下さい」としている点。まずは発電事業者が考えろややる気ないなら辞めろや。あ、東京電力はもう辞めているんですかそうですか。「事故の可能性があるけどエネルギー問題はみなさんの問題なんだからどうすりゃいいかはみなさんが考えろ」だそうです。

 このテクニック、控えめに言って手垢のついた黴臭いテクニックであらゆる意味でアップデートができてないなと思いました。

参考リンク1: 生き証人として福島に尽くす

参考リンク2: 2011.3.11に石崎芳行氏が東京電力福島第二原発の所長でなかったのは不幸中の幸いだった可能性(2025.7.13作成)

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