誰が?いつ頃?何故?遭難したのか

 当時の毎日新聞の記事からまとめてみると、

  • 誰が? — 愛知県の男性会社員と女性(身元不明)の2人(後に遭難者は男性会社員一人と判明)。
  • いつ頃? — 男性会社員は昭和59年7月に行方不明。女性についてはわからない。
  • 何故? — 男性会社員については、道を間違えたのが原因ではないか、と言われている。女性についてはわからない(後に遭難者は男性会社員一人と判明)。

 愛知県の男性会社員については免許証、印鑑、ユースホステルの会員証などの遺留品が見つかっているが、遺体が見つかったという記事はない。女性のものと鑑定された白骨死体が見つかったが、この女性については何もわかっていない(後に遭難者は男性会社員一人と判明)。男性会社員の関係者なのではないかとか、男性会社員とは全く関係ない人でこの女性については犯罪のにおいがしないでもないとか、そういう推理小説家のコメントが載っている程度である。

 男性会社員が遭難した原因については、道を間違えたからではないかと言われている。

(前略)

 現場付近に詳しい旭川山岳会会長の速水潔さんによると、旭岳の山頂から約二百メートル下には「金庫岩」と呼ばれる岩があり、ここを頂上方向から左折して約五十メートル行くとまた大きな岩があり、正規の登山道はここを右折して下りる。しかし、大きな岩の場所をそのまま直進してしまう登山者が多く、この岩は通称「ニセ金庫」といわれている。
 速水さんは「恐らく、このニセ金庫にだまされてそのまま直進し、約四キロ離れた現場まで迷い込んだに違いない」とみている。

(後略)

(1989年7月28日 毎日新聞夕刊13面より)

(1999/11/14)

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