カセットテープについて

SOS 助けてくれ
   がけの上で身動きとれず
SOS 助けてくれ
   がけの上で身動きとれず
SOS 助けてくれ
場所は初めにヘリに会ったところ
笹深く上へは行けない
ここからつり上げてくれ

(1989年7月28日 毎日新聞朝刊27面より)

 これが発見されたテープの聞きとれた声だという。この声に関して新聞には更に詳しく書かれている。

(前略)

カセットレコーダーの中にあったテープのA面の最後に、若い男性の声で、二分十七秒にわたり、助けを求める声が録音されていた。
 言葉は一言、一言を区切った大きな声で「SOS」「助けてくれ」と救助を求める叫びのほか「がけの上で身動きとれず」「笹深く上へは行けない」などと当時の周りの状況を示していた。さらに「場所は初めにヘリに会ったところ」とし、当時遭難救助用とみられるヘリコプターが上空を飛んでいたことを示唆している。
 途中二度の中断があるほか、息づかいも聞こえる。また、声が山でこだましているようにも聞こえることから、同署は録音するのが目的でなく、助けを求めて叫んでいる際、何かのはずみでカセットテープのスイッチが入り、その声が録音されたことも考えられるとしている。

(後略)

(1989年7月28日 毎日新聞朝刊27面より)

 尚、現場からはこの叫び声が録音されていたものを含め4本のカセットテープが発見されている。この4本のテープについては89年7月28日毎日新聞夕刊13面に書かれている。この記事によると見つかったテープ4本の内訳は、60分テープ1本、46分テープ1本、90分テープ2本、であるらしい。

(前略)

 六十分テープに入っていたのが昭和五十七年十月三日から五十八年六月二十六日まで毎日放送(大阪-TBS系)で放映され、その後映画、レコード化されたアニメ「超時空要塞マクロス」の主題歌とやはりアニメで使われていたらしい曲。四十六分テープはディスクジョッキー形式の男女の会話。会話のいたるところに「マクロス」という言葉が使われている。
 残る九十分テープ二本のうち一本はアニメ関係の曲ばかり。もう一本のA面に「SOS助けてくれ」の肉声が入っていた。B面にはアニメ「魔法のプリンセス・ミンキーモモ」(五十七年六月-五十八年五月/テレビ東京系)が収録されていた。

(後略)

(1989年7月28日 毎日新聞夕刊13面より)

 この事件について思い出す時に出てくるキーワードに「ミンキーモモ」をあげる人がそれなりの数いると思う。私自身は、確かカセットのラベルの絵がそれだったのではないかと記憶している。7月30日毎日新聞朝刊27面に、遭難者とされている男性会社員の両親、元同僚が遺品を確認したという記事が出ているが、この記事で「三個のカセットケースのうちアニメ「魔法のプリンセス ミンキー・モモ」の登場人物が表紙のケースについても」という記述があることから、多分私の記憶は合っていたのだろうと思う。ワイドショーでも「ミンキーモモ」という言葉を使っていたような気がする。ただ「マクロス」ってのは私の記憶には無かった。

(1999/10/10)

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