娯楽としての怒り

「怒り」というのは、非常に簡単な娯楽だというのは今までも繰り返してきた通りで、まず素養が要らない。知識が要らない。練習が要らない。道具も要らないし人手も要らない。カラオケみたいに音程合わせる必要もない。しかも、「正義のため」なら後ろめたくない。

 「怒り」ってのは知力も体力も精神力も要求される行為で、しかもそれらをすり減らしていく行為なんじゃないの?と思ったんだけど、「非常に簡単な娯楽」としてしか怒ったことが無い人はこういう考えに至るのかも。

 まあ、この考え方は、怒っている人を冷笑したい時に使えるテクニックなのでこういうのが必要な人生を送っている人は覚えておくといいと思います。
 もちろん、怒ることの無い人生ってのは非常に難易度が高いので、何かに怒った時の自分自身に冒頭のような言葉が返ってきます。

「この手のことを言う人って怒ったことないのかな?ずいぶん楽な人生歩んできてるなあ羨ましいなあ今からでも俺と人生変わってくれないかなあ」と素朴な疑問が出てきますが口にはしません。

2021/5/29追記:

https://friday.kodansha.co.jp/article/182699

「怒り」というのは非常に簡単な娯楽、という人たちは、上のリンクで紹介されているWADA氏のような人をどう見るのか、非常に興味深い。

https://friday.kodansha.co.jp/article/182699

森友問題、桜を見る会…「開示請求」で戦うWADA氏とは何者か

2021年05月25日|社会・事件

「赤木ファイル」野党合同ヒアリングに参加した一般市民「開示請求クラスタ」とは?

5月11日、学校法人森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、財務省がその存在を認めたいわゆる「赤木ファイル」について、「野党合同ヒアリング」が行われた。

そのヒアリングに、野党議員と共に、Zoomで一般市民も参加したことが注目を浴びている。その一般市民とは、Twitter上では有名人の「開示請求クラスタ」の「WADA」さんだ。

日本中が注視する「赤木ファイル」について、一般市民が「開示請求」というかたちで真相究明に貢献することができるとは。

そもそも「開示請求」を始めたきっかけは何だったのだろうか。今回の合同ヒアリング参加の経緯なども含め、WADAさんにZoomでインタビューを行った。

「開示請求」を始めたきっかけ

「開示請求を始めたのは4年前。最初は、国ではなく東京都を相手に、築地市場の移転問題で開示請求を行ったんです。市場移転問題で一番問題になっていたのは、豊洲市場の地下水の汚染問題で、私はもともと民間企業でデータサイエンスに携わっていたため、水位を調べたいと思い、そのデータを請求しました。

ただ、データだけのときはスムーズに出てきたんですが、その後、東京都の市場局が築地市場で移転を反対している人達に対し、いわゆる『転び公妨』(自分がわざと転んで公務執行妨害だということ)をやろうとしたり、暴言を吐いたりするものですから、『ではその発言の根拠を』というところから、だんだん政治的になっていきました。

さらに国に対して請求をかけるようになったのは2019年秋頃からです」(WADAさん 以下同)

「情報公開法」「開示請求」には大きく分けて国、独立行政法人、地方自治体に対する3種類がある。

1、国に対するもの……「情報公開法」(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)で定められており、外国人や未成年も含めて、誰でも請求できる。対象となるのは行政機関(省庁)。ちなみに、裁判所は司法権、国会は立法権であるため対象外だが、事務局が対応してくれることがある。

2、独立行政法人に対するもの……誰でも請求できる。

3、地方自治体に対するもの……都道府県や市区町村ごとに条例があり、自治体によっては在住・在学等の人に限って請求を受け付けているところもある。ちなみに、東京都は誰でも請求できる。

「いずれも各機関の情報公開窓口で行います。対象となるのは各機関が所有している公文書。なかには、豊洲市場の設計図のような『図面』や電子メールなどの『電磁的記録』も含まれます。

情報公開請求の書式はそれぞれにあり、国の場合はほぼ共通しているので、使いまわしもできます。地方自治体の場合は、サイトからワードかPDFをダウンロードして入力するだけ。地方自治体はサイト上で申請できるところも多いです」

「誰でも請求できる」とはいえ、どこに、どんな公文書の開示を、どのように請求すれば良いのか。

「私の場合、弁護士会が作っているマニュアルを事前に見ました。参考にはあまりならなかったですが、気持ち的なハードルは下がりましたね。

ただ、“行政文書の件名を書け”と言われるんですが、わかるわけないじゃないですか。

それは情報公開法にも記載されていますが、要はこんな文書だということがわかれば箇条書でも何でも良いんです。例えば、『豊洲市場について市場局が発言した根拠』と書けば、それがどんな文書か探すのは各機関の仕事なんです」

そこでいったん中断……と思ったら、「財務省から6月1日期限で開示を求めていた資料についての連絡が来ました。1000ページくらいあるようで、『特例延長』となり、一部だけ6月に開示して残りは10月に延期になりました」という、タイムリーな情報が。

「桜を見る会」の開示資料は、2000ページ・1GB越え

それにしても、1000ページもあるような膨大な資料の場合、一部だけ出したり、ごまかしたりすることはないのだろうか。

「可能性はもちろんいつもありますが、それをさせないためになるべく『一切の文書』と入れています。

管理が面倒くさいので、私は開示資料をいつもCDでもらうんですが、桜を見る会のときなどは2~3回に分けてきた開示資料が2000ページほど、1GBを超えました。

しかも、ほとんど黒塗りですよ。例えば桜を見る会の場合、看板や標識はセキュリティの問題ということで黒塗り。新宿御苑には何カ所か門があり、門ごとに人数を集計しているんですが、それもセキュリティの問題で黒塗りです。ただ、合計人数はセキュリティに関係ないので、黒塗りにできないんですよ。

そこでは集計した合計人数だけ1万8200人(2019年度)と出ていて、当初の1万人からかけ離れた人数が集まったことだけはわかるわけです」

「開示請求クラスタ」のメンバーとは?

ちなみに、WADAさんが2020年9月からTwitter上で行っている「開示請求クラスタ」は、本名も知らずにTwitter上で仲間を集めたもの。現在、クラスタのメンバーは約20名、そこに記者やメディア関係者など10名ほどが加わり、Slackで互いに情報を共有しているという。

「メディアの方とのやりとりが始まったのは、昨年4月に『週刊ポスト』に開示請求の記事が出たことからですね。

内閣広報室がテレビ番組を全部監視し、全部文字おこしをしていることが開示請求によってわかったため、それをブログに貼ったところ、『週刊ポスト』の記者さんからメッセージをいただいたことがきっかけです。

また、野党議員の方とは、昨年10月頃から立憲民主党の原口一博議員とTwitterでやりとりするようになったことも大きい。原口議員とは今でもTwitterのダイレクトメッセージで意見交換をしたり、2回Zoomミーティングも行ったりしています」

「赤木ファイル」開示請求の経緯

ところで、今回の野党合同ヒアリングで取り上げられた「赤木ファイル」の開示請求は、どのような経緯で始まったのか。

「昨年10月に1度、財務省に開示請求をかけたんです。そのときは1ヵ月以内に『存否応答拒否』、あるかないかも答えないという回答でした。

この『存否応答拒否』というのは、防衛省や内閣情報調査室では『答えるだけで手の内を明かすから』ということでよくある回答なんですが、赤木ファイルについては全く理由がわかりませんよね。

さらに、国会で今年2月に存否を含めお答えできないという答弁があったのを見て、激怒しまして。だったらもう一回開示請求をかけようと思ったんです」

そこで、WADAさんが二度目に請求をかけたのが、今年2月16日。国は1ヵ月以内に決定を出さないといけないのだが、その過程で、事態が大きく変わる。

「国の裁判上の主張が『あるかないかも答えない』から『探索中』に変わったんです。

これは赤木雅子さんの粘り強い裁判によるものですが、そうなると、財務省ももう『存否応答拒否』という手は封じられたわけですよ。

その結果、今度は財務省が嫌がらせ的に『あなたの請求内容がわかりません』、つまり日本語がわからない、聞こえません状態の『補正』という文書で回答してきたんですね。

それに対していろいろ答えましたが、結局は『形式不備による不開示決定』、あなたの書き方が悪いから不開示にしますという回答でした。

それで、こうしたやりとりを原口議員と共有していたところから、合同ヒアリングへの参加につながったわけです」

ちなみに、今回の合同ヒアリングに向けて、どんな勉強・準備をしたのだろうか。

「法律はもともと好きで独学で勉強していたんですが、開示請求には特別な知識は必要ないですよ。

ただ、今回のヒアリングに向けては、『民事尋問技術』『刑事尋問技術』『刑事法廷弁護技術』の3冊の本を読みました。裁判では証人と言い争ってもダメで、質問を変えたり聞き方を変えたりしないといけないため、様々なテクニックがあるんです」

数々の真相の究明に貢献してきた「開示請求」。その原動力は?

野党合同ヒアリングに一般市民が参加することは非常に稀なケースだが、「開示請求」が真相の究明に貢献してきたことはこれまでもいろいろある。

「例えば私がやった中では、大阪市の松井一郎市長が公務終了後、公用車で温泉のあるホテルで途中下車したことが、『日刊ゲンダイ』の記事になりました。

公用車の運行記録を調べると、どこからどこまで乗ったか全部書いてあるんです。

きっかけはTwitterで、松井市長を温泉で目撃したという情報が出ていたこと。それを見て、『まず自分の車で行っていないだろうな』と思い、大阪市の車で行っている可能性があると考えて請求したわけです」

昨年12月18日の「日刊ゲンダイ」の記事では、松井市長が昨年1~11月、公用車を使って件の市内のホテルを64回訪れていることが報じられている。

他にも、2020年8月に「イソジンうがい会見」をきっかけに開示請求を始め、「毎日新聞」や『週刊文春』に取材された、大阪府や大阪市相手に開示請求をかけている「沙和」さんをはじめ、開示請求で貢献している人は多数いるそう。

また、開示請求クラスタは組織として動いているわけではないため、それぞれ得意分野はあるが、ときには請求がかぶることもあるという。ちなみに、WADAさんの得意分野は?

「私がよく調べるのは、契約書ですね。例えば、パソナの問題とか。パソナの委託先は民間企業なので、資料は出てこないんですが、パソナに投げたときの金額はわかるので、『こんな事業に、こんなにかかっているのか』なんてことがわかるんです」

WADAさんが4年間で開示請求してきた件数は、2018年の約100件、2019年の約100件、2020年の約1000件を合わせて、計1500件ほど。

そのうち、「赤木ファイル」で5月6日に請求をかけたのが34件。収入印紙が1件300円かかるため、これだけで1万円以上が印紙代にかかっていることになる。実は昨年5月にコロナの影響で失業し、現在は大学のポストを狙って求職中というWADAさん。むしろこれを本職にしても良いのでは?

「収入には全然なりませんよ。すごい情報が出てくれば、記事になって収入にもなりますが、それでも収入印紙代を補填できるほどじゃないですし。それに、日々Twitterや国会中継を見て、これはひどいなと思ったときにすかさず請求をかけるので、組織としてやりにくいところもあるんです」

開示請求の用紙そのものは「3分か5分で書ける」とは言うものの、膨大な資料に目を通す必要があり、収入にならないどころか、基本的に「持ち出し」という。それでも、この労力と時間とを費やし続ける原動力はどこにあるのか。

「労力は慣れてしまえばたいしてかかりませんよ。一番面倒くさいのは、プリントして印紙貼って封筒に入れて郵便局に持って行くところくらいで(笑)。

ただ、一番大事にしているのは、憤りですね。

何か許せないことがあるから、開示請求をやっている。赤木ファイルもそうですし、これは絶対に許しちゃいけないというときに何か貢献したいんです」

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  • 取材・文:田幸和歌子1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。
  • 写真:アフロ

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