昔の議論を忘れて「指標や順位が上がれば日本は復活する」みたいに言われてもねえ

 GNPとかGDPとか、子どもの学力の国際順位とか、そういった数字が下がってきていて由々しき事態だ、と騒いでいる人がいて、まあそれはそれでいいんだけどちょっと気になることがある。
 数字とか順位さえ上げればそれでよしと思ってね?ってのがたまに目につく。ジャパンアズナンバーワンなんて言葉があった頃はあった頃で、数字上は金持ちになった筈なのに生活は全然金持ちじゃないとか土地が高すぎて都会に住めないとか相続税が払えないとか人口が多すぎて息が詰まるとか色々あった筈なんだけど。
 そういった過去の議論や反省を踏まえた上で色々考えないと、結局同じところを行ったり来たりするだけで進歩がないんじゃないの?
 自分より年上で、大人として過去を経験して色々な蓄積を積んでいる筈の年代にも、そういった視点がすっぽり抜け落ちている人がいるように見受けられる。なんなんだろう。
 TVタックルって番組あるでしょ?バブル華やかなりし頃、あの番組でママさんコーラスを使って「♪財テク財テク地上~げ♪」って当時の世相を歌わせていたんだけど、バブル崩壊以降一定の頻度で見かける「バブルよもう一度!バブル来れば全てハッピーオールオッケー!」的な人を見るたびにあのネタを思い出す。♪財テク財テク地上~げ♪♪財テク財テク地上~げ♪

 そのからみで思い出したんだけど、2009年6月にNHKのクローズアップ現代でこんな特集があった。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2009/0906-3.html#thu

6月18日(木)放送予定
“10歳の壁”を乗り越えろ ~考える力をどう育てるか~
「学力低下」問題をうけて去年、学習指導要領が改訂。算数・理科は前倒しで今年から新しいカリキュラムへの移行が始まった。授業時間も増えたが、それ以上に学習内容が全体に増加、前倒しされる。そうした中、教育現場で注目されているのが「小4の壁」という現象だ。この20年間、授業時間が削減され、学習内容も易しくなっているにも関わらず、勉強についていけなくなる児童が、9歳から10歳、つまり小学4年前後に急激に増えているのだ。原因の一つと考えられるのが「考える力」の低下。算数の場合、計算は得意でも、文章題になるとできないケースが目立つ。背景として、ドリルに依存した学習スタイルや、家庭での会話の減少によるコミュニケーション能力の遅れなどが指摘されている。各地で模索されている対策も紹介しつつ、「考える力」をどう育てればいいのかを考える。
(NO.2753)
スタジオゲスト : 佐藤 学さん(東京大学教授)

 ここにある

「考える力」の低下。算数の場合、計算は得意でも、文章題になるとできないケースが目立つ。背景として、ドリルに依存した学習スタイルや、家庭での会話の減少によるコミュニケーション能力の遅れなどが指摘されている。

ってのは1980年代後半あたりにも聞いた話だなあと思ったよ。

 更に関連してこんな指摘も。
そろそろ周回遅れの教育議論は止めにしよう – Munchener Brucke

私が中高生だった頃、まさに詰め込み教育、受験地獄批判花盛りで、知識偏重の教育の弊害が盛んに叫ばれた。官僚の不祥事やら、日本の国際競争力低下まで、何でもこれらの問題だとされ、教育改革が急務だとされていた。

ところが今度は、80年代にさんざん議論されたことは無視され、再び教科書が厚くなったというどうでもいい部分が強調され、今度は、知識量偏重の教育を復活させるベクトルが働いた。

全く進歩しない議論を30年間やってきた総括をしないと、また空虚な教育議論を繰り返すだけである。

ただなぜか「ゆとり教育批判」の中で、エリート教育=「詰め込み復活」みたいな議論が多い。20年前の議論の方が理に適っていた

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